MD/MBAを目指す理由

2016年10月19日
原文(link): Why I’m doing an MD/MBA
著者(author):
帰属(attribute):Stanford Medicine Unplugged


メディカルスクールでの3年間を終え、最近スタンフォード・ビジネススクールへと移ってきた。私はMD(医学博士)に加えてMBAを目指すことに決め、これから2年で両方の専攻を卒業することになる。

私一人ではない。このビジネススクールのクラスには、スタンフォードからの9名を含む11名のMD/MBA候補者がいる。まだ全数は少ないが、医師がビジネスの訓練を獲得する流れを育てている。MD/MBAプログラムの数はここ20年で1,000%近く増加しており、現在こういったプログラムを受講中の学生は500名と想定されている。

MD/MBA所持者は、臨床・病院経営・起業など様々なキャリアパスを歩む。私はというと、レジデンシーと臨床医療に進むつもりである。明確なビジネスのポジションでないことから、なぜMBAに行くことにしたのかとよく聞かれるが、それには3つ理由がある。

 

1. 新たな視野を持つ / Developing a new perspective

メディカルスクールでは 病症の特定・管理の方法については素晴らしい教育が提供されているが、ヘルスケアシステムについてはあまり知識がないまま卒業する。この知識は効果的な患者のケアに必須である。医療における最新の技術の進歩を学ぶことは重要であるが、医者は結局はコストやアクセス、限られたリソースの中でしたか患者にアドバイスをしなければならない。私はヘルスケアの現状を把握するマインドセットを身に付けたいと思っている。

加えて、ビジネススクールではエビデンスがない中でどのように決断を行うかを生徒に教えている。授業中のディスカッションでは、曖昧な選択肢とそれを解決するためのフレームワークの間をしばしば行き来する。

それに比較して、メディカルスクールは過度にエビデンスベースの結論に偏っている。授業では確かな情報だけ与えられ、確立されたガイドラインをどれだけよく知っているかで我々は評価される。これらは重要な原則であるが、そのような質の高いデータが存在しないこともある。例えば、予防医療や慢性疾患、終末期の意思決定にどのようにアプローチするかを決める時などである。そのような状況の時に医師は決断ができず混迷する。ビジネススクールはこのような課題も含めてデザインされた考え方を与えてくれるのだ。

 

2. 技術の習得 / Acquiring skills

医師はしばしばMBAを医療とはほぼ関係のないカリキュラムだとして、学術的な面を見落とす。明らかに違う形の学びではあるが、私は臨床の現場に適用できる技術を学べることを期待している。

これは財務やオペレーションの訓練、統計、エクセルでのモデリングを通した分析スキルを含み、患者ケアをダイレクトに改善する(例えば異なる術式のアウトカムの可能性の評価など)ことができるし、より広い視点での質の改善を提供することができる。レジデンシーの時期から医師はこのようなツールを、ワークフローの改善や新しい技術投資への推進などといった現場の取り組みに適用することができる。

テクニカルなスキル以上に、MBAではコミュニケーションや相互補助を重視したリーダーシップのトレーニングを行なっている。特にチーム医療が進んでいる中で、このようなソフトスキルが必要だということは言うまでもない。

 

3. 橋を架ける / Building bridges

最後に、私はMBAは物事を前進させる上で価値の高い資格であると考えている。政策家や行政家、医師はしばしば問題に際してお互いに直接的に対峙せず、解決に向けて協力しない。そして大きなシステム上の決断が下されたときに、医師は自分たちの意見が考慮されていないと感じ、臨床現場でないリーダーへの幻滅と不信を与えるのである。

MD/MBAとして、私はその溝の橋渡しをしたい。2つの専攻を取得することは、新しい情報を得るだけでなく、そのような情報を異なるステークホルダーに対してどのように伝えるべきかということを学ぶことになる。そのようにして、私はより良いソリューションを生み出すコミュニケーションを促進したい。

もちろん、これら3つは全てMBAを取得せずに実現することも可能である。実際に私はビジネス訓練の要素が最終的にメディカルスクールに取り込まれるだろうと楽観視している。しかしそうであっても私は新しい環境を経験すること、私のキャリアを形作る手助けとなる機会を探求することを楽しんでいる。

* Akhilesh PathipatiはスタンフォードMD/MBAの4年生であり、ヘルスケアデリバリーの問題に関心を有する。

※この記事は掲載元の許可を頂いて、翻訳・掲載しております。

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